近代宮家における門跡制度の「遺産」

TSUJI, Hirohito ORCID: https://orcid.org/0000-0002-9625-6742 (2024) 近代宮家における門跡制度の「遺産」. In: The 18th Annual Days of Japan, 2024-10-14 - 2024-10-16, University of Warsaw.

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Abstract

宮家は内廷皇族の分家とでもいうべき存在であり、天皇に皇子がない場合、皇位継承者を輩出することが期待されている。近代と前近代の皇室の大きな違いの一つは、門跡制度の存在である。近世以前の皇室では、皇太子や宮家継嗣以外の皇族の大半は出家の慣行があり(宮門跡・比丘尼御所)、江戸時代には宮家数が四家に固定され、俗体で子孫を残すことが可能な皇子は限られていた。幕末維新機期にかけ、宮門跡の大半が還俗し新宮家を設立した。これは近代皇室制度形成の嚆矢であると同時に神仏分離政策の一環であったと考えられている。しかし、厳格な神仏分離とは対照的に、私的には依然として仏教との結びつきが強い宮家も存在し、皇籍を離れてでも江戸時代同様に僧体となる皇子女さえ存在した。神仏分離の浸透度はそれぞれの宮家により大きく異なり、単純に画一化することは難しい。従来の研究では、神仏分離=廃仏毀釈という図式が用いられてきた。一方、祖霊祭祀や家職(門跡寺院の僧侶を含む)といった宗教的要素は家(イエ)の構成要素の一つであるにもかかわらず、一部の宮家に第二次世界大戦後迄仏教的要素が残存していたことは、これまで殆ど注目されていない。宮家のイエ的側面は、現代の皇位継承問題にも関わる重要な点である。本発表は、イエの連続性という視点から、一部の宮家に残る前近代以来の仏教的要素を検証し、宮家と仏教との公的・私的な関係を考察するものである。

Item Type: Conference or Workshop Item (Paper)
Uncontrolled Keywords: japanese studies,arts and humanities(all),social sciences(all) ,/dk/atira/pure/subjectarea/asjc/1200
Faculty \ School: Faculty of Arts and Humanities > School of History
Depositing User: LivePure Connector
Date Deposited: 16 Oct 2024 12:30
Last Modified: 18 Dec 2024 01:13
URI: https://ueaeprints.uea.ac.uk/id/eprint/97041
DOI: 10.13140/RG.2.2.10133.33769

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